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自然ゆたかな丹波の山里で、家づくりに取り組んで40年余り。きょうも大勢のお客様が、理想の家を求めて私たちの工房にいらっしゃいます。
「自分だけの素敵な住まいがほしい」というお客様の熱い思い。それが私たちにも伝わって、「ぜひ喜んでいただける仕事がしたい」と、心が昂揚するのを感じます。
ところが家づくりというものは、じつに様々なことを検討し、決定していかなくてはなりません。お客様にとってはまさに人生の一大イベント。工法、素材、デザイン、間取りなど、様々なことを考えていくうちに、「そもそもなぜ、家を建てたいと思ったのか」という原点が、どこかに行ってしまうことも多いのです。
そんな時私はひとつの質問をします。それは、「どんな時に家にいますか」というもの。すると、返ってくる答えは「休みの時」や「ゆっくりしたい時」。「病気の時」なんていうのもあります。つまり、元気な時はあまり家にいないんですね。そうすると、「ほっとする」という要素は、家づくりにとってかなり重要なものだということになります。
さらに、家にいる時間が長いのは子どもやお年寄りです。「からだの弱い人が健康に、安全に過ごせる」という要素も非常に大切です。そこには風通しがよく、空気がきれいで、どこにいても家族の気配が感じられる設計が必要になってきます。
そんな風に考えていくと、最初にハードありきでは決してないんですね。大切なことは、お客様が心からくつろげる環境をつくるということ。そういう抽象的で目に見えないものを中心において、家づくりを考えていかないと、血の通ったあたたかい家にはならないと私は思っています。
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